NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク

「全国集会&研修会2024」開催レポート(2日目)

JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2024」2日目は、「保育防災」と「園庭緑化」をテーマに、全国の保育者の実践に学ぶ研修会としました。「保育防災」では、前の「釜石小学校」校長の渡邊氏による『釜石の奇跡』をテーマとする基調講演が行われました。その後、「保育防災アクションマイスター認定講座」第3期生の認証と認定園の認定式が開催されました。「園庭緑化運動」では、3園のモデル園による活動発表もあり、今年も盛りだくさんの有意義な研修会となりました。

全国研修会レポート

1.基調講演

●講師:前釜石小学校 校長 渡邊 真龍氏

●テーマ:「釜石の奇跡」と呼ばれた子どもたちー防災文化をどう創る

●主な内容項目

  • 3.11までにどんな教育をしたのか
  • 子どもを介して地域に防災意識を広げる
  • 津波てんでんこと津波避難三原則
  • 防災の教訓を先人の知恵に学ぶ
  • 園児と防災教育「どんぐり」から何を学ぶのか

2.「保育防災アクションマイスター認定講座」2023年度活動発表と認証状授与式

「保育防災」の実践活動発表では、まず、2023年度生の年間活動発表が行われ、その後「アクションマイスター」3期生としての認証状とマイスターが所属する認定園としての認定書の授与式が開催されました。プレゼンターは、同認定講座の講師である(株)タフ・ジャパン代表の鎌田 修広氏と子森ネットの塚原代表(防災士)です。皆さん、おめでとうございます。


西大宮青藍保育園 関根さん

きらりつばさ保育園 竹内、矢部さん

駒沢こだま保育園 野澤、中里さん

杉並たかいどいちご保育園 鈴木、冨沢さん

新宿こだま保育園 関根、中里さん

きらり白妙保育園 楡井、村田さん


3.保育防災2023年度活動総括

●講師:消防庁防災アドバイザー・(株)タフ・ジャパン代表 鎌田 修広氏

●テーマ:「生きる力」を引き出す本気の保育防災アクション

●主な内容項目

  • 巨大地震に備えるたった1つの対策は?「事後対策」より「事前対策」しかない
  • 危機管理で大切な3つの原則:予測、予防、対応
  • 地域・保護者・子どもの信頼を得るためには?「安全な場づくり」
  • 1+1+1=5または10という大連動
  • より良い復興という考え方、他

「保育防災アクションマイスター認定講座」3期生記念撮影

4.「園庭緑化運動」モデル園2023年度活動発表

「園庭緑化運動」モデル園活動は、2023年度より第2期に入り、新しいモデル園での活動となりました。今回は、そんなモデル園に2023年度の活動発表をお願いしました。各園とも、とても充実した内容でした。

駒形こどもの杜こども園 北館、佐々木さん

崇徳保育園 氏原さん

ちらん中央こども園 上之さん

5.「園庭緑化運動」2023年度活動総括

●講師:田園調布学園大学大学院 准教授 国際校庭園庭連合日本支部 代表 仙田 考氏

●主な内容項目

  • JP子どもの森づくり運動と「園庭緑化運動」について
  • 保育と環境教育、ESD、SDGsの潮流~特に自然とのふれあいの意義
  • ESD実践:園庭環境の改善 保育者養成教育 <園庭を緑化しよう>
  • 園庭緑化運動2023-24 の展開と今後
  • 園庭緑化に向けて:子どもの屋外でのあそび、生活のあり方や園庭・まち環境の見直し 
    ~自園でやってみよう

「園庭緑化運動」モデル園2期生記念撮影

【アンケート】~「全国集会&研修会2024」を終えて~

「全国集会&研修会2024」を無事に終了させていただきました。その際ご提供いただいたアンケート中、「全国集会&研修会」全般に渡る感想の項目を無記名で紹介させていただきました。おかげ様でご好評をいただいたようで、参加者の貴重な時間をお預かりした主催者として安堵しております。

アンケート中、汐見先生はじめ、すべての講座の次回を是非実施して欲しいとの感想が多く、主催者冥利につきる思いです。子森ネットでは、これからも皆様の保育・幼児教育をせいいっぱいサポートさせていただきたいと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。

子森ネット清水


(以下、アンケート)

〇今回の有意義な講習に参加させていただきありがとうございました。非認知能力への理解を深める内容や、育むためにに自主性をどのように促しながら接して行ったら良いのか等すぐに活かせる内容になっており感慨深く感じました。また、保育者がそこにどう関わっていけば良いのかアドバイスを頂けたことで、道筋もしっかりと立ち、 すぐに現場に持ち帰れると感じました。子どもたちが目を輝かすことができるように、子どもたちのやりたいを引き出し、叶えていきながら、出来たやれた等の達成感や、不思議に出会い一緒に共感できる保育士になりたいと思います。子どもの可能性を信じ、魅力ある環境や時間を提示できるよう務めたいと感じました。また、深い自然緑化の話が聞け、自然や木、地球について考えると共に、園庭環境について考える良い機会になりました。たくさんの方とお話をしたり聞いたりできるきっかけをありがとうございました。

〇2日目だけでしたが、大変勉強になりました。職員間でも共有して、子どもたちの為に役立て参ります。誠にありがとう御座いました。

〇初めて参加させていただきましたが、色々と学びの多い会でした。

〇大満足でした!防災については、やらないといけない事として、あまり楽しく取り組んでおりませんでしたが、 大変興味深かったです。

〇初めての参加でしたが、防災や園庭緑化に関する有意義なお話が聞けてとてもよかったです。
どうしても担当に頼りがちになってしまう防災面も、このように色んな園のやり方を知りながら刺激を受けて進めていくと能動的になるんだな……と勉強になりました。また、園庭緑化に関しては大人の楽しそう!や可愛い!と いうイメージで進めてしまう点を反省して、もうすこし子どもを巻き込んで面白いお庭にしていきたいと思いました。ありがとうございました。

〇今回集会に参加させていただき、「生きる力」の大切さを感じました。くらし、いきる事は、自分のことだけでなく、周りの人や社会をも助けることができるということと聞き、子どもたちにも豊かな経験を得て、誰かのことを考え助ける人になっていって欲しいと強く感じました。これから園に戻り、保育をする中で、職員に今日の話を共有しどうあるべきか話し合っていけたらと感じました。ありがとうございました。

〇いま保育園の現場の起きてる課題への具体的なアプローチを知ることができました。講師の先生方の子どもたち、保育士への熱い想いに触れ、自園でも取り組むことができるかなと、背中を押された2日間でした。また実際に取り組んでいる他園の発表も大変参加になりました。どうもありがとうございました。

〇非常に内容の濃い、すばらしい2日間でした。刺激もたくさんいただきましたし、色々な知恵を知りました。汐見先生からは、実証実験を踏まえて、人間の生きる力について根本的な部分を学びました。日本の経済成長を引っ張ってきたリーダーは、学校教育ではなくて、暮らしの中でつけた力で引っ張ってきたんだということもわかりました。子どもたちの外遊び、子どもたちだけで知恵をしぼって遊ぶ時間の確保が大切だと再認識できました。また、渡辺元校長のお話は、心に刺さる事例がたくさんあり、最後のエピソードを涙ぐんで話してくださるその姿に、人間愛を感じました。大事なことを全国廻ってお話して下さることを大変感謝します。防災教育は、防災じゃない。生きることそのもの。自分の命を守れば、誰かを助けることができる、そういう人間に育つこと、本当に大切だと思いました。

〇地域で社会教育を考える活動をしていますが、日中の災害時は働き盛りの大人は都心にいて地域には不在であることが話題になりました。そのときに、子どもたちがお年寄りを助ける話をしたときに、「子どもはそんなことしなくていい。大人のことは大人の問題だ。うちの子だって、ひとを助けに行って、亡くなってしまったら、私は嫌だ。子どもに防災なんて学ばせないでください」という親がいました。びっくり、がっかりした気持ちになったし、こどもをガラス細工置物のように考えていることに、哀しくなりました。もっと大人たちが、子どもたちの人権や、ひとりの人間であることを学び、生きる力を育むことを邪魔しないような社会にしないといけないと、再認識しました。

〇6保育園の発表は、すばらしかったです。それぞれの地域性や歴史、担当した職員によって、着眼点がそれぞれ異なって、でも、1年かけて自分なりの変化を感じて、防災を通して自分ごとにして、取り組む力を身につけているんだなと、感動しました。私が携わっている16の保育園でもぜひこのマイスター認定を受けてほしいと思いました。それから、鎌田さん。今回のこの集会を教えてくださり、そして、いつも色々なつながりの話をしてくださり、ありがとうございます。菅町会の自主防災は歴史が古いので、考え方も古いところがあります。今、世代交代を踏まえながら、もう一度防災とは何かを想い、日常の延長上にある、自然の驚異との向き合い方をみんなで共有していく地域にしたいと思いました。本当にありがとうございました!!!

1日目の汐見先生の基調講演では非認知能力のお話を楽しく聞かせていただきました。昔の暮らしは現在の暮らしに比べると、とても不便で生活しにくいように思えますが、でも、そんな中でこのような能力を暮らしの中で知らぬ間に身についていった…(自分を振り返りながらいました)しかし現在では、関戸さんがお話をされたような遊び場を大人が提供してあげないと子供の非認知能力は、育ちにくい…というような今の環境は、本当に残念だなと実感し考えさせられました。2日目の渡辺先生のお話は震災の実体験を動画とお話でつたえてくださるので、とてもリアルでした。私たちが住んでいるところは自然災害は少ないところではありますが、自然災害に対しての危機感をもう少し強く持たなくては…と、自然と思えるお話でした。防災教育を目的として教育しているのではなく災害が起きた時の手段として捉えているという、学校の体制に感動しました。自分が生きなければ他人を助けることができないという、釜石の子供達の考えは、現実的すぎる名言のように思えます。保育防災活動報告より、4:2:4の数字の大切な意味がなるほどそうだなと振り返ることができました。鎌田先生のお話を何度かお聞きしていますが、また今回も、園でできることがいくつかありそうに思いましたので、職員全員で話し合えたらと思います。

〇汐見先生の生のお姿を拝見し、加えてお話が聞けるなんて、とても幸せな時間でした。懇親会、二次会で、県外の先生方と交流させていただいてとても、刺激をいただきました。お料理(特に餃子)とっても美味しかったです! 次回の東京開催では、他の職員にも参加してもらって刺激をたくさんもらってたくさん学んで欲しいと思います。とても勉強になる二日間ありがとうございました。スタッフの皆様、お疲れ様でした。


〇毎回内容がとても充実していて、こころがいっぱいになる研修です。対面で研修でき、毎回参加される方も多く、皆様との繫がりが継続できる素敵な研修会だと思います。汐見先生の講義はまた継続でお話が聞けることを期待したいです。事務局の方々ご準備等色々有難うございました。また地方での開催も楽しみにしています!またお手伝いに行きます!

〇素晴らしい先生方からたくさんの学びがあり頭がパンパンです。とても有難い会でした。そして、全国の先生方と交流できたことも貴重な経験となりました。何より温かく迎えてくださった関係者の方々に感謝しかありません。本当にありがとうございました。非常に充実した時間でした。ありがとうございました。

〇非常に充実した時間でした。ありがとうございました。

〇防災は幅広く、どこから手をつけて良いのかと、悩ましい部分でもありますが、他園の取り組みを聞き、取り入れたいことが沢山ありました。参考にさせていただきます。ありがとうございました。

〇今までもオンラインで受講させていただいたことはありましたが、やはり、対面でしか感じ取ることができない温度や空気、程よい緊張感と、とても有意義な研修を受けさせていただき有り難うございました。保育防災アクションマイスターについて、実は以前からとても興味がありまして、第二期、第三期と、申し込みフォームに入力しては、私がすべて出席できる自信がなくあきらめておりました。このたび、輪島出身の当園の主任が、やはり輪島で被災(無事に仕事中です)したこともあり、また、親しくさせていただいている平和こども園の日吉先生の自主避難所開設(1/6に水や支援物資を届けた際に見事に地域一番の環境の良い避難所として運営されているお姿を拝見しました)等の活動を近くで見ていると、これはやはり、何かアクションしなくてはと感じておりました。活動報告では、現場の先生方が主体的に取り組まれた様子を拝見し、是非、第四期では、受講させていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

以上