NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク

子どもの森づくり運動研修会2012レポート①

「子どもの森づくり運動」研修会2012(近畿・北陸ブロック)レポート

2012年7月2日~3日の日程で、「子どもの森づくり運動」の2012年度第一回目の研修会が開催されました。会場は、京都市の関西セミナーハウス<修学院きらら山荘>。同会場は、ドイツ発祥のアカデミー運動「はなしあい」の関西拠点として開設された由緒ある施設です。

 

 

今回は、近畿・北陸ブロックを対象として募集させていただきましたが、結果、岩手、福島、福井、岐阜、滋賀、大阪、広島、福岡という全国から10人の先生方にお集まりいただきました。

以下簡単なものですが、各講座のポイントを押さえながらレポートします。

 

1)7月2日(月)14:00~17:00危機管理
講師:タフ・ジャパン 代表取締役 鎌田修広さん

今回の講座のテーマは、危機管理の知識を学ぶ内容ではなく、まずは参加した先生方が本当の危機管理意識を持ち、維持するために、日常生活の中で具体的にどのようにしたらよいのかを学んでいただき、それぞれの防災力を高めてもらうことを目的としました。
そして、その考え方を園に持ちかえってもらい、それぞれの園にふさわしい防災力を高めてもらうという講座です。子どもをあずかるプロのみなさんにはとても有意義な講座だったと思います。

 

 

講座は、参加者でグル―プやチームを作り、いろいろな実践体験の中で進行しました。

 

 

*ネガティブに備え、ポジティブに行動することがとても重要であること。
*ネガティブな思考が、いかにフィジカルな能力に影響を与えるかといいうこと。
*特に、スローな訓練=「だるまさんが転んだ」理論を活かすトレーニングは、一瞬の行動の中で考えたこと。見えたこと。思ったことなどを紙に書くことで、自分の行動を分解、分析し、また、同じ教室の先生方の「できること」を共有することで、どんどん完成形ができてくるという素晴らしいトレーニングでした。

それら全体としての結論は、防災・危機管理においては、正しい危機へのイマジネーションンに基づいた、事前の準備や訓練がもっとも重要であることを本当に実感されました。

そして、最後に鎌田さんからのご提案。

子どもの森づくり運動が結ぶ「どんぐりココロ」応援協定。
遠隔地同士が応援協定を結び災害等があった時に、安否確認などの中継地点となる応援協定を結べる園をつくりましょう。とのことでした。

近い場所だと一緒に被災している可能性もあるし、遠隔地ってのは、大事ですね。

 

 

2)7月3日(火)9:00~10:30自然体験・環境学習講座①~活動の意義について~
講師:(独)森林総合研究所 多摩森林科学園 教育的資源研究グループ 大石康彦さん

大石さんからは、幼児期の自然体験活動と環境学習の意義についてお話しいただきました。

 

 

「小枝は、手に握ることができ、何かに使うことができるものであり、カエルは、つかまえ、命を感じることができるもの」の様に、「自然は内在している価値を、自然体験を通じて子どもに届けてくれる」ものであること。

さらに、環境学習の体験3要素として、①“ふれあい”としての「自然とのかかわり」、②“森林資源”としての「自然からの恩恵」
③“自然環境”としての「自然へのまなざし」があること。

そして、それらの活動の目標は、「気付き」から「知り」、「考え」、「行動する」ところまで(子どもたちを)育てることで、「
幼児期は、自らの考えで行動できる人に育っていく出発点」であることをお話しいただきました。
「知ることは感じることの半分も重要ではない」(レイチェル・カーソン「センスオブワンダー」)

そんな大石さんから木の実を使ったクイズをひとつ。

マツボックリをエビフライ状にした?のは誰?

 

 

答えは、リスです。マツボックリをきれいに食べてエビフライができました。

3)7月3日(火)11:40~12:00自然体験・環境学習講座②~実践例について~
講師:子森ネット 森づくりチームリーダー 河内和男さん

河内さんは、子どもの森づくり運動で、全国の活動をサポートしています。
そのサポートの中で、思ったこと、考えたことを活動写真と共にレポートしてくださいました。

 

 

茨城県:聖徳保育園の子ども達が植えた、森林公園に植えられたどんぐりの成長の速さ。
栃木県:高根沢第二幼稚園の「ようちえんの森」を近くのNPOの団体とコラボで活動している様子。
岩手県:駒形保育園の園庭に植えたどんぐりの様子など、そのほか全部で8園の様子をご紹介いただきました。

「子どもの森づくり運動」をきっかけとして、すべての保育園、幼稚園さんがどんぐりを育てながら、それをテーマに、子ども達に環境、自然を考えてもらう機会をつくり、伝える工夫をし、各園が子ども達に寄り添って活動されている様子が伝わり感動しました。

最後に、園児たちに自然を感じてもらうためのプログラムとして、葉っぱのフロッタージュを体験していただきました。

 

 

ちなみに、初日の夜は懇親会だったのですが、会場のご厚意で大変すばらしいお料理と差し入れをいただきました。この場を借りて、お礼申し上げます。

 

 

次回は、11月27日、28日。岩手県花巻温泉で行います。

8月より募集を受け付けますので、今回ご参加いただいた先生も、初めての先生方もご参加ください。

お問い合わせ:03-5711-0362(子森ネット)

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