「全国集会&研修会2021」Online大会開催レポート
2)2日目レポート:本当に子どもの命を守るための「保育防災」を考える(参加者数:38名)
JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2021」Online大会(以下、「全国集会」)2日目の司会は、実行委員である駒沢こだま保育園の福島園長先生にご担当いただきました。
【基調講演】~平成30年7月豪雨災害を乗り越えて~
2日目の全国集会の基調講演は、「平成30年7月豪雨災害を乗り越えて」をテーマに、社会福祉法人微妙福祉会 副理事長 第二みみょう保育園 松尾 竜 園長先生にご講演をお願いしました。
「園所在地のリスクを知る」ことや「地域との連携」等実体験にもとづく、説得力あるお話しをご提供いただき、とても参考になりました。
【保育防災事例発表】
保育防災の活動事例発表には、東京都世田谷区で素晴らしい防災活動に取り組んでいらっしゃる「春明保育園」さんの出原先生と奈良先生にお願いしました。同園では、消防庁防災アドバイザーの鎌田修広氏の指導のもと、自園としての防災の仕組みを構築しておられます。「保育士主体の取り組み」、「保護者や地域を巻き込む」こと。さらに、「対策を見える化」し、「習慣になるまで継続する」ことなど、実践的な提案をご提供いただきました。
【保育防災講座】
保育防災講座は、JP子どもの森づくり運動が、これまで取組んできた保育防災のアドバイザーである鎌田修広氏(消防庁防災アドバイザー ㈱タフ・ジャパン 代表)にお願いしました。危機管理で大切な3つの原則としての「予測」「予防」「対応」について、ご自身が携われて地域の防災活動を事例に、熱意あるお話しをいただきました。今回の講座は、次年度より始まる「保育防災認定講座」のシミュレーションとして実施されました。
鎌田講師の肉体は、消防活動の日々で鍛えられた見事な筋肉で仕上がっています。保育防災のインストラクターには、筋肉も必要なのかも。ということで、防災講座の最初と最後には、鎌田講師と一緒に「消防筋肉は裏切らない!」と唱和して気合を入れました。
なお、当集会の模様は、鎌田さんのブログにおいてもご紹介いただいています。⇒㈱タフ・ジャパンブログ
【パネルディスカッション】
パネラーとして、第二みみょう保育園の松尾園長先生、福岡の若久青い鳥保育園 岡村園長先生、さらに、岩手県から、あかまえこども園の小関園長先生、そして鎌田氏にもご参加いただき、本当に役立つ保育防災に必要な「ヒト」「コト」「モノ」についてパネルディスカッションを開催しました。
「地域との顔を見える関係の構築」や「防災は締切りの無い取組み」であること、さらに、防災は「想定外を想定内に変える」取組みであることなど、実践的な提案をたくさんご提供いただきました。
「保育防災認定講座」概要説明
最後のプログラムとして、「保育防災アクションマイスター認定講座」の概要と受講申し込みについて、子森ネット塚原事務局長から説明がありました。おかげ様で、認定講座については本集会参加者にご共感いただいたようで、集会終了直後より受講申し込みが相次いでいます。
定員のある講座ですので、ご興味のある方は早めにお問合せ下さい。同講座の詳細は、以下のアドレスで案内中です。⇒「保育防災アクションマイスター認定講座」
【閉会】
2日目の閉会の辞は、子森ネット理事である新三和琴似保育園の菊地園長先生にお願いしました。
2日目の参加者のご感想やご意見は、下記アンケートをご参照下さい。
全国集会を終えて
JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2021」Online大会を、参加者をはじめ、様々な方々のご協力により無事、盛況の中で終えさせていただきました。あらためて、心より御礼申し上げたいと思います。
思い返せば、昨年の「全国集会&研修会2020」がリアルでの開催のぎりぎりの時期でした。その後、保育においても、それをサポートするJP子どもの森づくり運動の活動でも、その実活動が制約される厳しい期間が続いています。そんな状況下での初めてのOnline大会は、子森ネットにとっても忘れられない大会となりました。
今回の開催にあたり、子森ネットでは募集活動から講師の選出まで、例年以上に妥協のない準備を心がけました。準備のテーマは、参加者に「何を伝えるのか」と「どのように伝えるのか」の2つです。「何を伝える(伝えられる)のか」については、趣旨に提示しました。
「どのように伝える」のかは、Onlineという未知の手段ですので、いろいろな不安要素がありました。「技術的なことではできることは全部やろう」と思い決め、前の活動でご縁のあった音楽配信ですぐれた業績をあげておられる「AMDオフィス」さんにサポートをお願いしました。結果、全国集会の趣旨にご共感いただき、少ない予算の中でこれでもかというサポート体制をとっていただきました。本当にありがとうございました。
そんな万全の体制で臨んだつもりでしたが、当日は小さなトラブルも発生しました。何よりも、準備に追われ、それぞれのテーマにおける子森ネット清水としての問題意識がもう一つ深められなかったことが大きな反省点です。次回を期したいと思います。
新型コロナ感染症下の保育・幼児教育の期間はまだまだ続きそうです。
そんな中でも、子どもたちが生きいきと自然の中で遊び、体験する活動は保障されなければなりません。
JP子どもの森づくり運動では、今回の集会で学んだ大切なことを糧に、2021年度も、活動のミッションを達成するために積極的に活動してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。
2021年2月 子森ネット代表理事 清水英二