~新しい自然体験活動の確立を目指して~岐阜県「浄心こどもの城」自然体験講座レポート
岐阜県の会員園、認定こども園「浄心こどもの城」において、“子どもに沿った、子ども主体の自然体験活動を学ぶ”自然体験講座が開催されました。講師は、「森と人との共生」を目指す森林環境活動の聖地である岐阜県立森林文化アカデミー教授の萩原・ナバ・裕作教授です。
同氏は、子どもたちの自然体験活動において、いまやカリスマ的講師として、様々な活動や情報発信を実践されておられます。JP子どもの森づくり運動としても、かねてから連携をお願いしておりましたが念願かなって実現しました。
[開催概要]
1)開催日 :2024 年 7 月 3 日(水) 9:30~15:00
2)場 所 :岐阜県郡上市白鳥町「浄願寺」竹林
3)主 催 :NPO 法人子どもの森づくり推進ネットワーク(子森ネット)
4)共 催 :認定こども園「浄心こどもの城」
5)講 師 :岐阜県立森林文化アカデミー 教授 萩原・ナバ・裕作氏
6)参加者 :「浄心こどもの城」年長児30名、同園保育者10名、及び、福井県「大野幼稚園」、滋賀県「崇徳保育園」保育者が参加
今回の講座のテーマである“子どもに沿った、子ども主体の自然体験活動”は、子どもの、特に幼児期の自然体験プログラムにおいて常に問われているテーマです。ともすると主催者(大人)の都合で運営されがちな活動を、どうしたら本当に子どもたちに届けられるかが問われているのです。
キーワードは“自然遊び”ではないでしょうか。幼い子どもたちは、自然の中で何かを得るために「体験」するのでもなく「活動」するのでもなくただ楽しいから夢中で「遊び」、その過程の中で文字どおり自然に子ども本来の豊かな資質を育んでくれます。重要なことは、活動の運営者がどのように子どもの主体性を担保できるかです。
ナバ教授は、「自由な遊び&自由な学び」をテーマに、子ども主体の自然・環境体験活動について様々な実践と情報発信を継続されています。今回も、お寺の普通の竹林が、ナバマジックで子どもの豊かな自然遊びのフィールドに変化していきました。
「普段は室内遊びが多い園児たちでしたが、最初はぎこちなく遊んでいたものの、ナバさんの園児たちの興味を刺激する自然遊びにスイッチが入り、竹を使って自分なりの遊びを楽しんでました。」(同行保育者のコメント)
ナバさんの講座では、子どもと共に大人も“子どもがえり”して遊びに巻き込まれます。『子どもと共に、子どものように楽しむ』。それが、子どもの主体性を引き出す運営者の活動マインドかも知れません。「浄心こどもの城」では、これからも竹林を使った自然遊びを継続するということです。
活動終了後、園において活動のふり返りが行われました。保育者から「園児を遊ばせようとするのではなく、遊びを助長することが大切だと実感した」という感想がありました。
「子ども主体の自然体験活動」は、今もっとも保育・幼児教育において重要なテーマです。簡単に答えが出るテーマではありませんが、JP子どもの森づくり運動では、これからも既存のプログラムに捕らわれない、新しい子ども主体の自然体験活動の確立を目指してまいります。