「全国集会&研修会2023」開催レポート
毎年恒例のJP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2023」(以下「全国集会2023」)が埼玉県において開催されました。全国集会は、年に一度、全国の保育・幼児教育関係者が集い、より良き保育を目指して協議と情報交換を行う大切な場です。
今回のテーマは「子どもの森づくりとSDGs」としました。わたしたちは、日頃少し遠いものとして感じているSDGsの活動を、子どものより良き未来を願うとき、はじめて「我がこと」として考えられます。そして、JP子どもの森づくり運動は、SDGsを「我がこと」とする保育者と保護者によって推進されている活動です。
長引くコロナ禍の中で、子どもたちの自然・環境体験活動が規制されつつある現状を踏まえ、あらためてJP子どもの森づくり運動の「森林環境教育」としての意義やその方法についてみんなで考える機会としたいと思い、開催させていただきました。今回の全国集会がご参加いただいた保育・幼児教育関係者にとって、今後のより良き保育・幼児教育活動に少しでも役立つものとなったのであれば幸いです。
開催概要
1)開 催 日 :2023年2月14日(火)、15日(水)
2)開 催 地 :さいたま市子ども家庭総合センター「あいぱれっと」子ども研究センター
3)主 催 :JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2023」実行委員会
*構成団体:子森ネット(筆頭) / 国際校庭園庭連合日本支部 /(一社)さいたま市私立保育園協会
4)特別協賛:日本郵政グループ ~日本郵政グループは、JP子どもの森づくり運動を応援しています~
5)後 援:(公社)国土緑化推進機構 (公社)こども環境学会
6)協 力:(公社)全国私立保育連盟 (公社)大谷保育協会 こども環境研究所ギビングツリー
(社福)呉竹会 (社福)ひなどり保育園、他
7)開催方法:会場参加とオンライン参加のハイブリッド方式
開催レポート(1日目)
【開会式】
●主催者あいさつ
*国際校庭園庭連合日本支部 代表 仙田 考(会場)
*三和新琴似保育園 園長 子森ネット理事 菊地 秀一(オンライン)
【「園庭緑化運動」モデル園3園 2022年度活動発表】
「園庭緑化運動」モデル園3園(「三茶こだま保育園」「エンゼル幼稚園」「こども園ほしのこ」)担当者に会場にお越しいただき、主に、2022年度の活動について発表いただきました。発表終了後、プロジェクトコーディネーターの田園調布学園大学大学院の仙田先生による、3年間にわたる取り組みのまとめが行われました。
●モデル園発表内容
1.東京都「三茶こだま保育園」⇒発表資料
2.静岡県「エンゼル幼稚園」⇒発表資料
3.鹿児島県「こども園ほしのこ」⇒発表資料
JP子どもの森づくり運動「園庭緑化運動」は、2022年に「第6回キッズデザイン賞を」受賞しました。それを記念して、発表の前に仙田先生と記念撮影を行いました。
【「保育防災アクションマイスター認定講座」受講園5園 2022年度活動発表】
「保育防災アクションマイスター認定講座」2期生5園(「認定こども園青森ひかり」「あままえこども園」「児玉の森こども園」「駒沢こだま保育園」「大野幼稚園」)による、2022年度の受講成果の発表が行われました。発表終了後、講座講師の(株)タフ・ジャパン 代表 鎌田修広氏による総評が行われました。
●受講園発表内容
1.認定こども 園青森ひかり
2.認定こども園 あかまえこども園 ⇒発表資料
3.児玉の森こども園 ⇒発表資料
4.駒沢こだま保育園 ⇒発表資料
5.大野幼稚園 ⇒発表資料
【「保育防災アクションマイスター認定講座」2期生認証式】
「保育防災アクションマイスター認定講座」受講園の活動発表の内容は、マイスター資格認定の最終審査の対象となります。発表は、いずれも素晴らしい発表で、受講担当者全員がマイスター2期生として、受講園全園が認定園として認証されました。発表終了後、子森ネット塚原代表よりマイスター認証状とバッジが、鎌田講師より認定状が手渡されました。
発表終了後、鎌田講師と記念撮影。皆さん、本当におめでとうございます。
開催レポート(2日目)
【開会式】
2日目も「全国集会&研修会」の開催にあたり、主催者とご支援いただいております日本郵政グループ様からごあいさをお願いしました。
●主催者あいさつ:(一社)さいたま市私立保育園協会 大野 智子会長
●ご協賛会社ごあいさつ:日本郵政(株)広報部 小林鈴子様
【基調講演】
全国集会2023では、かねてより切望していた、玉川大学教育学部教授 大豆生田啓友先生に基調講演をお願いすることができました。テーマは、全国集会のテーマに沿った「子どもの森づくりと保育-持続可能な社会づくりに向けて-」ということでお願いしました。期待どおりの素晴らしい、本当に学びの多い内容でした。
(大豆生田先生の主なご講演項目)
・SDGsは日常的に豊かな保育が基盤
・保育におけるSDGsのアイデア帳
・事例紹介
*事例① 1歳児Hくんの事例から学ぶこと
*事例② 身近な生き物との出会いを通して「いのち」を考える
*事例③ のっぱらプロジェクト
・日本の保育と園庭
・日本の子ども中心の保育の園庭4つの類型
1)運動誘発型園庭
2)自然環境型園庭
3)コーナー型園庭
4)森の保育
・保育者が持続可能な社会を学ぶ場「ぐうたら村」
-保育者が持続可能な社会を学ぶ場-
・持続可能な社会と乳幼児期から生態系や多様ないのちの視点へ
・「共主体」(co-agency)の保育 ・「環境による保育」に、「環境教育」の視点を
【パネルディスカッション】
基調講演を受けて、テーマを深堀りするパネルディスカッションを実施しました。パネラーには、以下の方々にご参加いただきました。北海道教育大学教育学部 岩見沢校アウトドア・ライフコース 教授 能條 歩先生(オンライン)、田園調布学園大学大学院 人間学研究科准教授 仙田 考先生、浦和ひなどり保育園園長 丸山和彦先生、三茶こだま保育園園長 石田亜由美先生、コーディネーターは子森ネット清水が務めました。
パネルディスカッションのテーマは、「幼児期の環境教育~SDGを指針として~」としました。テーマの中で、もっとも議論となったのは、「環境教育」と「自然体験活動」は違うのかという論点で、様々な積極的な発言がありました。
短い時間での議論ですので結論には至りませんでしたが、パネラー共通の認識として、幼児期の自然体験活動においてもっとも大切なことは、「センスオブワンダー」に象徴される感性に訴求する体験活動であること、そしてその体験こそ、持続可能な未来を生き、けん引する次世代の子どもたちの「環境の心」の基盤となることでした。
乳幼児期の環境教育については、大豆生田先生のご講演からも示唆的なご発言をいただきました。これからの自然体験活動においてとても重要なテーマですので、JP子どもの森づくり運動では、これからも様々な機会で議論を深めてまいりたいと思います。
【「園庭緑化運動」2023年度活動案内】
今回の全国集会には、JP子どもの森づくり運動の参加園以外の方にもご参加いただきました。ここでは、「園庭緑化運動」プロジェクトコーディネーターである田園調布学園大学大学院 人間学研究科子ども人間学専攻 准教授 / 国際校庭園庭連合日本支部代表 仙田 考先生から、新年度のモデル園募集を目的に、「園庭緑化運動」のそもそもと、2023年度の活動計画についてお話しいただきました。
【「保育防災認定講座」2023年度活動案内】
「保育防災アクションマイスター認定講座」講師である消防庁防災アドバイザー ㈱タフジャパン 代表取締役 鎌田修広氏から2023年度の3期受講生(園)の募集を目的に、認定講座の概要と新年度の活動についてお話しいただきました。
アンケート
終了後、会場参加、オンライン参加の方々に、次回開催に向けてアンケートをお願いしました。参考のためにご紹介します。(無記名)