NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク

「全国集会&研修会2022」オンライン大会実施レポート

2022年2月14日(月)、15日(火)の両日で、JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会」オンライン大会(以下、大会)が下記の概要で開催されました。今回の大会では、「幼児(少)期の環境教育」をメインテーマに、それに紐づく、自然・環境体験活動、園庭緑化、保育防災の三つの実践テーマについて、参加者と共に協議させていただき、参加者のこれからの活動に少しでも役立つ成果を持ち帰っていただくことを目的に実施しました。

“集うことでのみ、得られる新しい気づきや交流がある“と思い、ぎりぎりまで会場参加を含めたハイブリッド方式での開催を目指しましたが、新型コロナ感染症の「オミクロン株」の爆発的蔓延の事情で、結局、昨年と同じくオンラインでの開催となりました。


■実施概要

1.日時:2022年2月14日(月)13:00~17:30 2月15日(火)10:00~14:30

2.主催:NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク(子森ネット)

3.共催: 認定こども園 大野幼稚園  国際校庭園庭連合日本支部

4.特別協賛:日本郵政グループ

5.後援:(公社)こども環境学会  (公社)大谷保育協会

6.協力:(公社)全国私立保育連盟 (公社)国土緑化推進機構  保育環境研究所ギビングツリー、他

8.技  術 :AMDオフィス


【1日目】

開会式

主催者の開会あいさつに続き、ご共催、ご後援いただきました団体からごあいさついただきました。

主催者あいさつ:子森ネット理事 岡村 斉先生

共催者あいさつ:国際校庭園庭連合 代表 仙田 考先生

ご後援団体ごあいさつ:(公社)大谷保育協会 理事長 五島 満先生

基調講演:環境教育としての自然体験~こどもの自然体験の重要性~

今回の大会のテーマ、幼児(少)期の環境教育について、北海道教育大学 教育学部岩見沢校 アウトドア・ライフコース 教授 能條 歩先生からご講演いただきました。

ご講演の主な内容は以下のとおりです。

①教育の場に自然は必要か?

②教育としての自然体験は必要か?

*自然体験教育への期待ー1:自然との距離を縮める体験

*自然体験教育への期待ー2:多用性や変化を実感する体験

*自然体験教育への期待ー3:感性をとぎすませる体験

*自然体験教育への期待ー4:言語の獲得につながる期待

*自然体験教育への期待ー5:心身の機能の発達を促す期待 ③環境教育としての自然体験 

 

パネルディスカッション

能條先生による基調講演を受けて、「幼児(少)期の環境学習」について、保育の現場でどのように受け止められ、実践されているのか、現役の園長先生にご参加いただたパネルディスカッションによって深掘りしました。

●テーマ:幼児(少)期の環境教育~その意義と方法~

●パネラー(オンライン)

・北海道教育大学 教育学部教授 能條 歩先生

・全国私立保育連盟 副会長 三和新琴似保育園 園長 菊地秀一先生

・大谷保育協会会長 銀の鈴幼稚園園長 五島 満先生

・子森ネット理事 大野幼稚園 園長 藤 兼量先生

●コーディネーター:子森ネット代表理事 塚原 茂

●主な議論項目

①保育・幼児教育における環境教育の意義について

②自然体験活動と環境教育とのちがいについて

③「自分ごと」として取り組むSDGsについて

「園庭緑化運動」モデル園活動発表

「園庭緑化運動」は、2019年から、田園調布学園大学大学院 准教授 仙田 考先生のご指導のもと、三つの特徴的な立地にある保育園、幼稚園、こども園におけるモデル事業から始まりました。都市型である東京都「三茶こだま保育園」、郊外型の静岡県「エンゼル幼稚園」、田園型の鹿児島県「こども園ほしのこ」さんの3園です。それぞれの園の2年間の活動を発表していただきました。

「園庭緑化運動」2年間の総括

「園庭緑化運動」2年間のとりまとめを中心に、運動のアドバイザーである、田園調布大学大学院 人間学研究科子ども人間学専攻 准教授・国際校庭園庭連合 日本支部代表 仙田 考先生からご講演いただきました。

●主な内容

*保育と環境教育、ESD、SDGsの潮流~特に自然とのふれあいの意義

*ESD実践:保育者養成教育<本物の環境に触れる>

*ESD実践:園庭環境の改善<本物の環境に触れる>

*ESD実践のフィールド:おうち⇒園庭⇒まちへ

*園庭緑化運動2020-2021 の展開と今後

*園庭緑化に向けて:子どもの屋外でのあそび、生活のあり方や園庭・まち環境の見直し ~自園でやってみよう

*園庭緑化において、なにが大切か


【2日目】

「保育防災アクションマイスター認定講座」活動発表

2021年度の講座には、全国で11園の保育園(所)、幼稚園、こども園から、17名の方にご参加いただき、オンラインによる実践的な講座を受講していただきました。受講者の皆さん、コロナ禍のお忙しい中、本当に一生懸命課題に取り組んでいただき、素晴らしい成果をあげていただきました。全受講園さんから活動成果の一部をご発表いただきました。

保育防災講座

保育防災認定講座の講座内容は、JP子どもの森づくり運動の防災アドバイザーである、消防庁防災アドバイザー・㈱タフ・ジャパン 代表取締役 鎌田修広氏によって作成されました。今回、認定講座に参加されていない参加者にも、そのエッセンスを伝えていただこうと思い講座をお願いしました。

●テーマ:過去の教訓を生かした本気の防災アクション

●主な内容

*大川小学校事故の全体像(構造)の図式化

*危機管理で大切な3つの原則:予測、予防、対応

*安全の定義

*危機管理の組織運営

*防災アクションマイスター認定講座について

保育防災アクションマイスター認証(定)式

「保育防災アクションマイスター」1期生17人への「認証状」と、保育防災マイスターを配する園に送られる認定園の「認定状」の授与式をオンラインで実施しました。

保育防災アクションマイスターの資格認定には、①年間6回程度のオンライン講座に参加し、そこで課せられる課題について園全体としての取り組みについて発表しなければなりません。②その上で、講座終了後、年間の活動についてレポートを提出してもらいます。③提出されたレポートは「保育防災アックションマイスター認定委員会」(委員長:鎌田修広氏)によって審査され、その上で認定されます。

受講者の皆さん、1年間、感染症対応の厳しい保育の日々の中で本当に頑張りました。その頑張りに心より敬意を表させていただきます。おめでとうございます。

認証状が塚原代表から授与されました。(「つくし幼稚園」相村先生)

認定園に認定状が鎌田さんから授与されました。

「保育防災アクションマイスター」2022年度受講生募集オリエンテーション

「保育防災アクションマイスター認定講座」の1期生が、無事、巣立っていきました。JP子どもの森づくり運動としては、保育防災の活動をこれからも大きく拡げてまいりたいと思っており、2022年度の受講生募集について、概要を案内しました。2022年度の受講生募集については、ホームページ内、「保育防災アクションマイスター認定講座」2022年度受講生募集をご参照下さい。  

大会を終えて(子森ネット)

「全国集会&研修会2022」オンライン大会を無事に終えさせていただきました。主催者としては、コロナ禍の中でご参加いただいた参加者の方々に、なにがしかの気づきや成果をお持ち帰りいただかないといけないのですが、オンラインでの研修会等の開催は難しい。会場開催であればダイレクトに伝わる参加者の評価がつかみづらいのです。結局、評価はアンケートに頼らざるを得ません。さいわい、今回のアンケートでは、それなりにご評価いただいたので安堵しています。アンケートには、今後の大会運営だけではなく、保育に関する様々なご意見もご記入いただいているので、よろしければご覧いただければと思います。⇒アンケート

本大会のメインテーマである「幼児(少)期の環境教育」は、子どもたちのより良き未来を願う保育・幼児教育者がこれから取り組まねばならない必須のテーマです。本大会で得られた気づきや成果が、参加者が取り組む環境教育に少しでも役立つことを願っています。

末筆ながら、本大会の開催をご支援いただいた方々に、あらためて心より御礼申し上げます。

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